太陽光パネルの清掃にかかる費用は?維持費の相場や費用を抑える方法を解説

太陽光パネルは発電効率の維持や安全性を確保するために、定期的に点検や清掃を行うことが必要です。

太陽光発電のメンテナンスは、行う内容によって費用感が大きく異なります。一般的に、定期点検、太陽光パネルの清掃、パワーコンディショナーの交換・修理、保険への加入の4項目がメンテナンスの内容として挙げられることが多いです。

本記事では、太陽光パネルの清掃にかかる費用の相場、そして清掃費用とともに太陽光パネルを維持するのにかかる費用とその費用を抑える方法についてご紹介します。

これから太陽光発電の設置を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

清掃など太陽光パネルの維持にかかる費用相場

定期点検

太陽光発電は長期間使用するため、住宅用・産業用ともに少なくとも3-4年に1度以上の適切な頻度と内容で定期的に点検を実施することが望ましいでしょう。
定期点検は1回あたり1-2万円程度が目安です。専門の技術者により太陽光パネルや架台、パワーコンディショナー、配線、ブレーカー、電力量計といった設備や機器の不具合を確認します。破損箇所等あれば、状況に応じて補修作業を行うといった対応が必要になります。

定期点検や清掃は、自家消費する電力の確保や売電するための電力を維持する観点から、発電効率の維持につながり、ひいては経済的にもメリットが大きいため重要です。

清掃

屋外に設置されている太陽光パネルは、雨風や落ち葉、塵、鳥の糞、埃・花粉など、日々さまざまな環境要因にさらされることからパネル表面に付着する汚れが光の妨げとなって発電効率が低下することがあります。特に汚れが目立ちやすい乾燥した地域や山間部にお住まいのかたは定期的なパネル洗浄が必要です。

そのため定期的な清掃を行うことで、パネルの表面に付着した汚れを落とすことでパネルの発電効率を回復することができます。

太陽光パネルの清掃費用は汚れの状況や設置面積によって異なりますが、一般的には清掃屋さんへ依頼の場合手洗いで1kWあたり3,000〜5,000円程度で、汚れが目立ってきたら年に1-2回で清掃を行うのが目安となります。

産業用高圧では、マシンを使用した太陽光洗浄専門業者の方が割安となってる様です。

システム交換

定期点検やメンテナンス中に部品の故障等が見つかった場合には、修理や交換を行います。

例えばインバータの故障やパネルが割れたり、かけている場合などです。修理や交換にかかる費用は5,000-10,000円程度が一般的ですが、部品の種類や故障の程度、故障の箇所によって大きく変動します。業者によっては、保証期間内であれば無償で修理や交換を行う場合もあります。


パワーコンディショナー

太陽光で発電した直接電力を家庭で使えるように交流電力に変換するパワーコンディショナーは、10-15年が耐用年数と言われています。

メーカー保証が10-20年はついていることが多く、その場合は保証期間内であれば交換・修理は無償です。しかし、一般的に半導体やフィルター、コンデンサーが設置後10年程度で劣化する可能性があり、保証期間外に故障で修理が必要になると、部品交換の際の価格の目安は20万円程度がかかることがあります。

太陽光パネル

太陽光パネルを交換する際の価格は、パネル1枚あたり10〜15万円が目安とされていますが、太陽光パネルの寿命自体は法定耐用年数が17年と国税庁により定められており、実際にメンテナンスを十分に行っていれば30年以上使い続けることも可能といわれています。
また、配線の劣化や売電メーターなども必要に応じて交換・修理を行うことがありますが、メーカー保証期間内の場合は追加費用が不要のケースが多いです。
太陽光パネルの修理や交換には高額な費用がかかることも多いため、万が一の場合に備えて保険に加入しておくことで、太陽光パネルに発生した損害への補償を受けることができます。

除草・草刈り

太陽光を効率よく発電させるために、メンテナンス方法の一つとして除草・草刈りがあります。

雑草が伸びると、太陽光パネルが雑草の影に隠れてしまい発電効率が落ちてしまったり、パネルや架台、パワーコンディショナーの内部を傷つけ、故障の原因となってしまうことがあります。

さらに、パワーコンディショナー内部に雑草が入ることで、ケーブルの損傷によって火災の可能性もあります。

草刈りを行っていないと、管理が行き届いていないと思われ盗難のターゲットになることも少なくありません。

草刈り以外にも雑草を生えづらくさせる除草シートやコンクリートの敷設といった方法もあるので、さまざまなリスクを考慮し除草は行いリスク回避を行うことをおすすめします。

一般的に業者へ外注し除草する場合の費用は、1000平方メートルで1回あたり8万円~10万円程度といわれています。但し発電所内の配線の断線を避ける為、特化した業者選定が必要となります。

保険

メーカー保証の期間内であれば補償を受けられることが多い一方、メーカー保証では対応することができないトラブルもあります。そのため、自然災害や落雷など万が一の大きな損害を受ける場合に備えて各種保険に加入するケースも多いです。

費用は、火災保険、動産総合保険、賠償責任保険、休業補償保険、出力抑制保険など、一般的に動産総合保険の場合は初期費用の2.5-3.5%、そのほかの保険では初期費用の0.3〜3%程度が目安となります。

また、メーカーによっては太陽光パネルの販売時に保証として定期点検がついた長期契約を販売しているケースがあります。点検費用が上乗せされますが、都度払いで支払うよりも大幅にコスト削減ができるため、おすすめです。

しかし、万が一販売元の会社が倒産したり保証内容に改悪がある場合には点検を受けられなくなる可能性もあります。実際に販売した会社でないと施工方法や配線経路がわからなかったりと十分な対応ができなかったり、他社に依頼する場合は出張料が発生してしまうケースもあります。

太陽光発電は数十年単位で利用をするものなので、長期間フォローができて、業績がよく信頼できる会社を選んで購入を検討してください。

太陽光パネル清掃の費用が高くなるケース

定期点検清掃、パワーコンディショナーの交換の他に、メンテナンスには以下のような費用が発生する場合があります。太陽光発電にかかる可能性のある必要なコストとして、想定をしておくと安心です。

・点検や清掃のための足場代

・故障や不具合がある場合の修理費

以下、それぞれについて詳しく紹介をしていきます。

足場が必要な場合

屋根上に太陽光パネルがある場合の点検や清掃には、安全かつ効率よくメンテナンスを行おうとすると、足場設置を行うことが必要です。取り付け工事に必要となる足場代は、家の大きさやパネルの設置箇所によっても異なりますが、約10ー20万円前後が目安とされています。

太陽光発電のメンテナンスを検討する場合、加えて屋根の葺き替えや外壁塗装を合わせて行うことで、足場の共同利用をすることができます。

よりお得に太陽光パネルのメンテナンスを行うことができるのでおすすめです。

修理が必要な場合

太陽光発電の定期点検や清掃時に、トラブルや故障が見つかった場合には修理費用が発生します。修理の内容によって費用は異なりますが、メーカーの保証対象となる場合もあるので、まずは契約書を確認することをおすすめします。保証期間の場合は、メーカーが大半の修理は無償で対応してくれます。

また、例えば屋根上など住宅に設置した太陽光発電は、建物の一部あるいは家財として火災保険の対象となります。契約の内容を把握しておくと安心です。

太陽光パネル清掃の費用を抑える3つのコツ

太陽光パネルのメンテナンス費用を抑えたい方は、以下の3点を検討することをおすすめします。

異常がみつかった場合は早めに対処する

太陽光パネルは、日々のさまざまな環境要因によって発電量が低下したり不具合や重大な事故につながるリスクが高くなることがあります。

そのため、定期的に点検やメンテナンスを行って、何か異常があれば早めに修理や交換を行うことが重要です。点検は年に1回程度行うことが一般的とされていますが、設定場所や環境によってはもっと頻度を増やして行う必要がある場合もあります。

太陽光パネルの故障や損傷に気付くのが遅いほど、修理費用が高くつく可能性が高まります。

早期に機器の異常や不具合を検知し、修理や交換を行うことで、システムの安定性や信頼性を確保することができます。

複数の業者から相見積もりを取る

太陽光パネルの清掃費用の相場を把握し業者の見積価格が適切かどうかを知るためには、複数の業者へ見積もりの提示を依頼することが有効です。

また、信頼できる業者かどうかを推測するためには、見積もりの内容に関して質問し説明を受けることで、業者の丁寧さや対応力を図り、業者の体質を見抜くことができます。

業者が提供するサービスの品質は、施工・販売実績の多さや工事体制、会社の方針などによって大きく異なります。そのため、ただ単に金額が安く抑えられるからという理由で決めるのではなく、実際に依頼した場合の内容や品質をよく確認して、トラブルを回避できるように吟味して依頼する会社を選ぶようにしましょう。

定期的に除草作業をする

雑草があると、太陽光の発電量を大幅に低下させてしまう原因となります。

そのため、日頃から除草などの対策を行うことで、メンテナンスにかかる費用を抑えることができます。

雑草が伸び続けると、雑草がパネルの上に影を落として「ホットスポット」を発生させ、パネルの故障につながるだけでなく、火災を引き起こす可能性もあります。雑草が原因のホットスポットで故障してしまうと、パネルメーカーの保証対象外となって自己負担での修理になってしまうこともあるため、極力ホットスポットを起こさないよう対策が必要です。


雑草対策を分類すると、大きく「人的防除」、「機械的防除」、「化学的防除」、「生物的防除」、「物理的防除」に分類されます。定番の方法である草刈りや除草剤を散布したり、防草シートを使うなど、費用対効果を考慮し最適な除草方法を検討するようにしましょう。

まとめ

本記事では、太陽光パネルの清掃にかかる費用について、詳しく説明しました。

定期的な点検や清掃は、太陽光パネルの性能を維持するためには欠かせない作業です。年に1度はメンテナンスを行うことが推奨されているので、必ず行うようにしましょう。

メンテナンスをしないでいると、時間の経過とともに設備が劣化していき、パネルの寿命が短くなったり、発電量の低下、重大な事故につながる恐れもあるので注意が必要です。

自力で難しい場合は、安全面や手間を考慮し、業者へ依頼されることをおすすめします。