太陽光パネルを導入すると、黄砂や鳥の糞などの表面に付着した汚れを掃除し、発電効率を下げないように定期的に手入れを行うことが必要になります。
太陽光パネルの掃除の方法は様々あり、特別な機械を使わなくても家庭用の太陽光であれば自宅にあるような道具を用いて手作業で掃除をすることも可能です。
本記事では、自分で太陽光パネルの掃除を行う時の注意点をご紹介していきます。
太陽光パネルの掃除は必要？
太陽光パネルの掃除は、以下のような理由で実施することが不可欠です。
・汚れによる発電効率低下を防ぐため
・綺麗な状態を保つことで発電量を維持するため
・故障の原因となるホットスポットを未然に防止するため
太陽光パネルの一部に汚れやゴミが付着していると発電が妨げられ、発熱するホットスポットという現象が起こることがあります。
太陽光パネルが焼けてしまったり、実際に隣接する林へ引火し山火事が起こった事例もあります。火災の原因となることもあるためホットスポットの状態が長引くことは避けるようにしましょう。
太陽光パネルは土埃や花粉、火山灰、黄砂、動物の糞、落ち葉やゴミ、水垢といった様々な汚れに常にさらされています。そのほか周辺で工事や野焼きをしている場合はセメントや灰、ススが付着してしまうこともあります。
太陽光パネルの設置角度のおかげで雨で流れる汚れもありますが、鳥の糞や水分を含むと固まってしまう火山灰などは、雨の力だけでは完全に取れません。
そのため、良い状態で太陽光パネルで発電させ続けるために、清掃は必須といえるでしょう。汚れたパネルを清掃することで、発電量の回復も期待できます。
太陽光パネルを自分で掃除しないほうがいい理由
太陽光パネルの清掃は、誤った方法で行うとパネルを傷つけてしまい発電量の低下につながることがあります。
そのため、簡単な清掃であれば手作業でも可能ですが、基本的には業者へ依頼する方がおすすめです。
ここでは太陽光パネルの清掃を業者へ依頼するべき理由について、解説していきます。
パネルを傷つける恐れがある
太陽光パネルを自分で掃除すると、太陽光パネルの表面のガラスを傷つけてしまったり発電量や発電効率低下につながる恐れがあります。又、架台フレームの破損を引き起こす事もあります。
例えば、高圧洗浄機を強い水流で同じ箇所を狙い撃ちするような使い方をするとパネルの損傷の恐れがあり、傷口から雨などが染み込んでしまうと故障につながる恐れがあります。
さらに、傷口に鳥の糞などが付着すると、専門業者へ洗浄を依頼しても汚れが奥深くまで入り込んでしまうため、汚れが完全に取れなくなってしまうこともあります。
機材を揃えるのが難しい
太陽光パネルの清掃にはガラス用のマイクロファイバーや水切りを使って手作業で洗浄することが可能です。
水道水はカルキを含んでいるため白い水垢を作りやすいため、マイクロファイバー製のクロスやモップで汚れを拭き取った後は、水垢が残らないようにすぐに水切りをしてください。
理想は工業用の純水を使うことですが、高額になるため自宅の太陽光パネル洗浄にはあまり適さないと言えます。
高所作業は危険が伴う
太陽光パネルの清掃は最低限は自分でも行えるものの、手作業による掃除は時間がかかり、太陽光が大容量であるほど大変な労力がかかってしまいます。
また、太陽光パネルが屋根の上にある場合は、高所作業によるケガや事故が発生する可能性が高くなるため注意が必要です。
家庭用の太陽光パネルは地上から約7.5〜10mの高さに設置されていることが多いです。傾斜がある屋根の場合はさらに不安定になります。
安全確保のための足場や安全帯がない中、専門家ではない一般人が自分で太陽光パネルを清掃すると落下して骨折などの怪我をする恐れがあります。
そのため、太陽光パネルの洗浄は専門業者にお任せする方が安心です。
故障したときに保険が適応されない
通常通りの利用の際に万が一太陽光パネルが故障した場合は、メーカー保証を受けることができます。メーカーによっては、自然災害補償や施工保証が付帯している場合もあります。
また、自然災害による補償は多くのメーカー保証対象外となるものの、保険に入っておくと台風や地震など自然災害による故障に対して補償を受けることができます。
一方、自分での洗浄作業等が原因で破損や故障したと判断される場合は、各太陽光パネルメーカーの保証や保険の適用外となってしまう可能性があります。
そのため、太陽光パネルを自分で清掃したいという場合には、太陽光パネルの故障の際の保証対象外のリスクを理解した上で実施することが重要です。
太陽光パネルの掃除を自分でするときの注意点
ここまで説明したように、太陽光パネルを自分で清掃する際は注意が必要です。自分で掃除することで傷つけてしまい、保険の適応外になる可能性や、必要な器具を揃えることが難しいこと、そして高所作業の危険性を理解しておく必要があります。
しかし、それでも一部分に目立つ汚れがついた場合は、自分で掃除したくなることもあるでしょう。ここからは、自分で太陽光パネルの掃除をする場合の注意点を解説します。
傷つけないように拭き掃除をする
太陽光パネルを自分で掃除する際の主な方法は拭き掃除です。
ただし、普通の雑巾ではなく、柔らかい生地のマイクロファイバークロスやマイクロファイバーモップを使用するようにしましょう。
これらは吸水性が高く、静電気によって汚れを吸着する特性があるため、太陽光パネルの掃除に適しています。
通常の汚れであれば、マイクロファイバークロスで優しく拭くだけで十分です。それでも頑固な汚れがある場合は、メーカーによっては薄めた中性洗剤の使用を勧めているところもあります。
ただし、通常は洗剤を使う必要はなく、研磨剤入りや酸性の洗剤は絶対に使用しないでください。
どうしても洗剤を使用する場合は薄めた中性洗剤にし、その際は十分に洗い流すようにしてください。
水道水を使わない
砂埃や粉塵などは、そのまま拭いて落とそうとしても、粒が荒いため太陽光パネルを傷つける可能性があるため、細かな汚れが目立つ場合は、水で洗い流すのが良いでしょう。ただし、水道水や井戸水、ミネラルウォーターは避けるべきです。これらの水に含まれるミネラル成分が、蒸発する際にパネルに残り、発電効率を下げる原因となります。
太陽光パネルの掃除には、雨水や精製水、純水を使うのが適しています。雨水を使用する場合は、雨水タンクを導入すると良いでしょう。水道水の使用は極力控えてほしいところですが、使用したい場合は、後でしっかりと拭き取るようにしましょう。
高圧洗浄機で水圧の高い水をかけない
高圧洗浄機は便利ですが、使い方を誤ると問題を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
例えば、太陽光パネルを高圧水で洗うことは避けてください。テレビの通販番組で、壁の落書きやタイヤの汚れを高圧水で落としている映像を見たことがありませんか？パネルの外観が問題なくても、高圧水がセルを傷つけたり、強化ガラスとフレームの隙間から浸水する可能性があります。
見た目には問題なくても故障につながり、メーカーの保証対象外になる可能性もあります。
そのため、高圧洗浄機を使用する際には慎重に行い、適切な方法でパネルをお手入れすることが重要です。
太陽光パネルの掃除は専門業者に依頼しよう
太陽光パネルの掃除は、専門業者に頼むことが賢明です。専門業者は適切な方法でパネルを清掃し、効率的な発電を保つのに役立ちます。
自分で掃除をする際には、誤った方法で行うとパネルに傷をつけたり、効率が低下する可能性があります。また、高所作業や特殊な器具が必要な場合もあるため、安全を考慮して専門業者に依頼することをおすすめします。定期的なメンテナンスは、太陽光発電システムの寿命を延ばし、最大の性能を引き出すために重要です。
